1.比重測定における秤の読取限度と試料の比重の関係について
比重測定では水中の試料に付着する気泡の影響が測定誤差(バラ付き)の原因になります。
表は水中測定時に試料に最小表示2デジット分の気泡が付着した場合の影響をまとめたものです。(水の比重は1.0000として計算、吊線の影響は無視しています。)
*比重2.0の試料量2gは水中重量1.00g→0.98g、1.000gの場合は0.998g
*比重5.0の試料量5gは水中重量4.00g→3.98g、4.0000gの場合は3.9998g
2.比重測定の精度(再現性)を良くするために
試料の密度に合わせて目的の精度に合う計量器、試料量を選びましょう。
1の表の通り試料の比重が大きいほど試料量を多くし、計量器の最小表示を小さくすれば誤差を小さくすることができますが、最小表示に対する気泡の影響について考慮することも大切になります。
ここからヒント&テクニックを少々
a. 室温、水温は一定温度で測定し液比重の安定を図ります。
b. 吊り線( 水面と接する部分)は強度のある細いものを使用します。
c. 吊り線上部の一部にチェーンを使うと水中の揺れを抑えることができます。
d. ビーカーの直径は水面の上下が少ない大きなものを選択します。
e. 表面に膜状の気泡が付き易い試料は事前にアルコールで拭く、また液中に表面活性剤を加えるのも一法です。(液比重は考慮して下さい。)